佐賀県が19日公表した7月1日時点の基準地価は、住宅地と商業地が前年より下落したものの、下落幅は5年連続で縮小した。工業地は21年ぶりに上昇した。利便性や住環境の立地条件が良好な佐賀市と鳥栖市で特に景気の持ち直しや雇用環境の改善などによる上昇傾向が表れた。

 県内の住宅地134、商業地64、工業地13など計217地点を基準地とし、1平方メートル当たりの価格を不動産鑑定士の評価を基に判定した。

 住宅地は19年連続で下がったが、下落率は前年から0・7ポイント改善してマイナス1・0%となった。平均価格は2万円。全国42番目で、九州では最も低い。市町別では佐賀市が21年ぶり、鳥栖市は18年ぶりに変動率が上昇に転じ、それぞれプラス0・9%、プラス0・2%だった。下落率が最も大きいのは大町町のマイナス3・5%、次いでみやき町のマイナス2・4%。

 上昇率が最も高かった地点は2年連続で「佐賀市兵庫北5丁目」のプラス9・4%だった。最高価格は「佐賀市赤松町16番外」の7万4500円で、4年連続となった。

 商業地は24年連続で下がったものの、住宅地と同様に下落率は前年から0・8ポイント改善してマイナス0・9%。佐賀市は25年ぶりに上昇して変動率はプラス1・3%となった。上昇率が最高だった地点は3年連続で「佐賀市兵庫北4丁目」のプラス6・3%。最高価格は24年連続で「佐賀市駅前中央1丁目」の21万5千円だった。

 工業地の変動率は前年のマイナス0・5%からプラス1・1%に上昇した。県東部がけん引しており、鳥栖市を中心に物流などの工業用地の引き合いが盛んになっているという。

 県の地価調査鑑定評価員代表幹事の樋口隆弘不動産鑑定士(佐賀市)は「住宅地は低金利に刺激されて需要が高まり、高価格帯の地点が上昇をけん引して低価格帯でも下落率が緩和されてきている。ただ、人口減少などの影響で今後も傾向が続くかは見通せない」と話す。

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