2017年度予算の各省庁による概算要求の大枠が29日固まった。観光や農業を後押しして地域振興を進めるほか、子育てなど1億総活躍プランの関連施策に重点を置いた。北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射などを受け、安倍晋三首相が重視する防衛費は過去最大額を求める。一般会計の要求総額は101兆円台に膨らむ見通しだ。景気減速で税収が伸び悩む中、年末に向けて予算の絞り込みが課題となる。

 政府は今月上旬に示した概算要求基準で歳出総額の上限を定めておらず、要求額は過去最大の102兆4000億円となった16年度に匹敵する規模に膨らむ。財務省は31日に要求を締め切り、査定作業に入る。

 人口減少が影を落とす地域経済を元気にするため、政府は観光業の振興を成長戦略の柱に据えている。国土交通省は観光案内所の増設や駅のバリアフリー化を進め、訪日客誘致に積極的な地方空港を対象に国際線の着陸料を最大3年間無料にする。観光庁の予算は16年度当初予算に比べ58%増の316億円を求める。

 環太平洋連携協定(TPP)の発効をにらみ農業の競争力強化にも取り組む。農林水産省は、各都道府県に設置された農地中間管理機構を通じた農地の集約に208億円を盛り込んだ。輸出に向けた海外での商談支援などには17億円を充てる。

 1億総活躍関連では、待機児童対策の一環として、厚生労働省が保育所の整備などに712億円を盛り込んだ。同一労働同一賃金を実現するため、各都道府県に「非正規雇用労働者待遇改善支援センター(仮称)」を設置する費用などには573億円を計上した。

 文部科学省は給付型奨学金の創設を金額を示さない事項要求とした。

 防衛省は、米軍再編関連経費を含め過去最大の5兆1685億円を要求する。地上の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の改修費用を盛り込むなど、弾道ミサイル発射への態勢強化に取り組む。防衛予算は16年度まで4年連続で増やしており「安倍カラー」が一段と強まる。

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