国土交通省は29日、2017年度予算の概算要求に、九州新幹線長崎ルートで導入するフリーゲージトレイン(FGT)の技術開発費として16年度当初予算の約2倍の23億500万円を盛り込んだ。事業継続が決定した城原川ダム(神埼市)には調査費用として16年度当初予算の約3・6倍の3億5900万円を計上した。

 FGT開発は14年11月、幅の異なる新幹線軌道と在来線軌道を繰り返し走る耐久走行試験中に不具合が見つかり、中断した。今年5月に改良した台車の検証を始め、走行距離4万5000キロの回転試験を終えた。現在、分解して車軸の変形などを確認している。

 鉄道局技術開発室は「17年度は走行試験の再開を見込んで予算要求した」と説明している。改良台車の検証結果を踏まえ、秋ごろにも専門家による技術評価委員会を開き、走行試験の再開を判断する。

 長崎ルート、北海道、北陸の整備新幹線3区間の建設費(国費)は16年度当初予算と同額の755億円を盛り込んだ。長崎ルートは武雄温泉駅で在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で22年度から暫定開業時期を可能な限り前倒しするスケジュールに変更はない。

 国の事業見直し対象となっていた城原川ダムは、これまで1億円程度の検証費用が予算化されていたが、国交省が7月下旬に事業継続を決定したことで、建設を前提とした地質や環境調査に本格着手するため、増額した。

 佐賀県関連分では、国交省が力を入れる地域の経済拠点を局地的な大雨から守る水害対策の例として、鳥栖市を取り上げた。交通の要衝、新産業集積エリアであることから、地域を流れる安良川の堤防整備を実施し、浸水リスクを低減させるとしている。

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