「社会が学生に求めるコミュニケーション能力は高くなっている」と話す平田オリザさん=佐賀市の佐賀大学本庄キャンパス

■「生徒評価の転換を」

 劇作家で、「東京ノート」などの代表作で知られる平田オリザさんが2月28日、佐賀市の佐賀大学本庄キャンパスで講演した。2020年の入試改革に合わせ、「生徒を能力で選ぶ試験」から「生徒の特質を見極める試験」への転換を提案した。

 大学教授の教育力や授業力を向上させる研修の一環で、佐賀大学が招いた。国が進める入試改革で、2020年にセンター試験が廃止され、知識偏重から能力・意欲・適性を多面的、総合的に評価する試験に転換されるのをテーマに講演した。

 平田さんは若者のコミュニケーション能力の観点から、「国際社会を生きていかなければならない子どもたちにとって、これからは他者と分かり合えないことを前提に、共通認識をつくる力が重要になる」と話した。その上でスマホやネットの発達により「子どもを取り巻く環境は話し合うことを必要としなくなってきている」と指摘。大学が試験で受験者の特質を見極め、「他者に思いを伝えたいという気持ちを育てる教育が必要」と訴えた。

 講演には、日本各地の大学教授を中心に約70人が参加した。講演を聞いた佐賀大学大学院2年の古川卓さん(25)は「切り口が鋭く面白かった。特質を見極める試験という考え方は新鮮だった」と話した。

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