持ち株会社化の取り組みなどを示し、「販売力、ブランド力強化を図りたい」と話す大島信之組合長

 合併から10年がたったJAさがの新組合長に6月、大島信之氏(64)が就任した。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、県産農畜産物のブランド価値をどう高め、農家の所得向上につなげていくか。「自己改革」に力を入れる新組合長の考えを聞いた。

 -組合長に就任して2カ月が経過した。

 職員2400人、グループ会社2600人。これだけの規模を動かす決断をするのは相当な重圧がある。「農協改革」が叫ばれているが、どこまでやればいいという答えがある訳ではない。(前組合長の)金原中央会会長が全中の副会長になった。政府との話し合いの中で情報もしっかり入ってくるだろう。いち早く生かして運営につなげたい。

 -自己改革の一環で、グループ会社を傘下に置く持ち株会社(ホールディングス、HD)2社を設立した。

 農業生産の拡大、農業者の所得増大、地域の活性化という基本目標を達成するための第一歩。全国のJAで初めてで「成果を上げなければ」との思いは強い。グループ会社はもともとJAさがの一部門。重複業務を整理してコストを削減するだけでなく、JAさがの一員という意識付けを改めて徹底し、ガバナンス(組織統治)を強化したい。

 -「食品」「アグリ」のHD会社の特徴は。

 食品は個々がやっている商品企画、開発をまとめ、仕入れ業務も行うことで県農産物の販売力強化、ブランド化につなげたい。アグリは、農作業・労力支援を強化し、生産拡大や雇用促進を図る。どういった形の支援ができるか、今年末ぐらいをめどに示したい。

 -JAさがが誕生して丸10年。今後特に力を入れていきたい分野は。

 園芸と畜産の生産基盤強化を第一条件でやっている。合併して10年がたつが、まだ全部が平準化されていない。施設の再編や物流改革をスピード感を持って進めていきたい。

 -地域農協を再編するJAグループの「1県単一JA構想」をどう思うか。

 2016年度中に方向性を示そうと協議をしてきたが、先送りになっている。構想は全国的な流れ。財務基盤をしっかりして経営を安定させるためにも個人的には必要だと考えている。

 -就任直後、職員の不祥事が相次いで発覚した。

 営農・園芸部門と金融・共済部門に分けてプロジェクトチームを作り、徹底して調査、検証している。外部の専門機関の意見も聞き、再発防止策を策定する。今後絶対に発生させてはいけない。

 

 おおしま・のぶゆき 1980年に帰郷し、28歳で就農。JA佐城(当時)理事、JAさが専務理事などを経て17年6月から現職。小城市三日月町。

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