原子力規制委員会は、東京電力が再稼働を目指す、7号機(新潟県)の審査で、10月4日にも事実上の合格証に当たる審査書案を了承する方向で調整に入った。関係者への取材で20日、分かった。27日の定例会合で審査書案について検討を始めるが、委員の交代や、拙速との批判があることから複数回の議論を重ねる必要があると判断した。ただ、地元同意の見通しが立っておらず、再稼働は数年先とみられる。

 規制委は、20日午前の会合に出席した東電の小早川智明社長が「安全文化の確立」について保安規定に明記すると確約したため、焦点だった原発事業者としての適格性を容認。22日に退任する規制委の田中俊一委員長は最後となった午後の定例記者会見で、2基の審査合格へ道筋を付けたことについて「難しい審査で、煮詰まるのに時間がかかった」と述べた。

 福島第1原発事故を起こした東電の適格性については規制委の議論が迷走し、説明不足との批判が高まった。衆院選でも争点の一つとなる見込みで、田中氏の後任の更田豊志委員長代理は丁寧な説明が求められそうだ。

 田中氏は会見で「(東電に)言うべきことは言った。あとは約束を守ってもらうだけ」と話した。東電が保安規定に違反すれば、規制委は原発の運転停止を含め、厳しい処分を検討する。

 規制委は今後、実質国有化されている東電に経済性より安全性を優先させられるか経済産業相に意見照会して確認の上、一般からの意見公募などを経て審査書を正式決定する。

 小早川氏は会合で「今後の取り組みを確認してほしい」と述べた。

 地元同意については、新潟県の米山隆一知事は第1原発事故の検証が必要との立場で、判断には「3~4年かかる」との見方を示している。【共同】

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