国への開門調査の要請を確認した(左から)熊本の上田浩次会長、佐賀の徳永重昭組合長、福岡の西田晴征会長=福岡県柳川市の福岡有明海漁連

■事業対策委国控訴見送り「遺憾」

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門差し止めを命じた長崎地裁判決に国が控訴しなかったことについて、佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体でつくる諫早湾干拓事業対策委員会は2日、臨時会を開き、3県の総意で遺憾の意を示し、有明海再生や開門調査を求めて共同歩調を取ることを確認した。和解協議で国が提示した100億円の基金案では佐賀と他2県の対応は分かれていたものの、再び結束する。

 柳川市で開いた会議は冒頭以外非公開。3県の漁業団体の組合長や幹部ら計23人が出席、農水省職員を呼んで国の見解をただした。

 農水省農村振興局の室本隆司次長らが、開門を認めない判決が続いていることや、佐賀以外の漁業団体が基金案に賛同したことを挙げ、「(和解へ向けた)状況が100%ではないが出来上がりつつある」と説明、開門しない和解協議を再開したいと伝えた。

 出席者からは「開門しないと根本的な解決にはならず、漁業者は納得できない」と国の対応への不満や、調整池からの排水がノリ漁に影響しているとして、対策の強化を求める意見などが上がったという。

 会議後、対策委員会会長の徳永重昭・佐賀県有明海漁協組合長は「厳しい意見が多かった。有明海再生がまだまだというのが根底にある」と総括した。対策委として開門調査を求める要請書を8日に国に提出する考えを示した。

 熊本県漁連の上田浩次会長は「3県は開門ありきで訴えてきた」と強調。福岡有明海漁連の西田晴征会長も「和解案を受け入れたのは漁業者の生活を守るために有明海再生を優先させただけで、開門調査をやめた訳ではない。今回(開門の)道を断たれたことには抗議したい」と訴えた。

 開門差し止めを命じた地裁判決の言い渡し前に、漁業者側が新たに当事者として訴訟参加する申し立てを行い、4月25日に控訴した。控訴期限の今月1日を過ぎたが、申し立ての可否が決まっていないため確定していない。

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