泉田裕彦新潟県知事

 新潟県の泉田裕彦知事(53)は30日、10月16日投開票の知事選に出馬しない意向を表明した。現在3期目の泉田氏は2月の県議会で、4選に向けて立候補表明していた。現職知事がいったん出馬表明しながら、撤回するのは極めて異例だ。

 泉田氏は報道各社に送った文書で、県が出資する第三セクター事業の問題点を指摘する地元紙「新潟日報」の報道などを批判し「このような環境の中では、十分に訴えを県民にお届けするのは難しい」とした。

 東京電力が目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働について、泉田氏は「東電福島第1原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない」と厳しい姿勢を示してきた。泉田氏の不出馬は、柏崎刈羽の再稼働論議に大きな影響を与えそうだ。

 三セク事業では、新潟とロシア極東・沿海地方を直結するフェリー航路開設を目指しているが、中古船の調達が難航している。泉田氏は「臆測記事や事実に反する報道が続いた」と指摘。また原子力防災の報道に関しては「県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はない」とした。

 泉田氏は30日夜、報道陣の取材に応じ、三セク事業を巡る地元紙報道に知事選の話題が集中しているとして「自分が身を引いた方が、原子力防災の議論がしやすくなる」と強調した。

 新潟日報社は「社としての見解は31日付朝刊の紙面ですべて明らかにします」とのコメントを出した。

 知事選を巡っては、全国市長会長の森民夫新潟県長岡市長(67)が今月10日に出馬表明。泉田氏の県政運営を「独自の主張にこだわり、国や北陸各県、県内市町村との関係を傷つけてきた」と批判していた。【共同】

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