八方ふさがりなのは明らかだった。廃棄物処理法違反の罪に問われた60代男性被告。山あいの資材置き場に大量の建築廃材を野積みにしたものの、借金を抱えて処理費用が工面できない状況に陥っていた。佐賀地裁の公判では「1人で全部片付けます」と強弁した。

 自営の建設業が不況のあおりを受けた。建物の解体工事にも手を広げたが、業者間の激しい競争に見舞われた。仕事を得るために廃棄物処分の経費を除いた低価格で受注し、10年以上にわたって廃材を資材置き場に持ち込み続けた。

 撤去を求める佐賀県の数十回に及ぶ指導には応じてこなかった。自宅を訪ねる職員に対応するのは妻ばかり。県庁への出頭要請を受けた際、「行ったら逮捕されて帰れない」と家族に告げて行方をくらました。

 山積みにした廃材の処理費用は試算で約2400万円。勤め人で同居する息子が休日に廃材を選別し、月1回処分して少しずつ減らしているが、「いつまで続くか分からない」と本音を吐露した。父の安請け合いのしわ寄せが重くのしかかっていた。(判決=懲役2年6月、罰金80万円)

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