「ひゃあぼう」を使った漁から戻った漁師=1月下旬、鹿島市七浦音成海岸

 十数年前、当時で85歳を超えていた北鹿島三部の石橋市次さんのタカッポ漁の撮影に通った。その時、分からなかった言葉が「ひゃあぼう」。後で「板のことさ」と聞いて納得した。

 大牟田のあたりで干潟にはいつくばって漁をする「潟坊」のことを「ひゃあ坊」ということは、雑誌に柴田恵司・長崎大名誉教授が書いていた。諫早湾の干潟漁の大御所だった兼松翁が孫や若い人たちに「板ば覚えろ。土方びゆ(土木作業員)よいかよかぞ」と言っていたのを思い出す。

 いつの頃からか潟板のことを「潟スキー」と呼んでいるが、私はしっくりこない。30年ほど前、諫早出身の同僚から「中尾はまさか『跳ね板』のことば『潟スキー』ちゃ言いよらんじゃろな」と言われ、それから「潟スキー」とは呼ばないことにしている。生業に使う道具はやはり従来からの呼び方がいい。

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