心の傷をテーマに話す「熊本いのちの電話」の池田幸藏さん=佐賀市兵庫町のほほえみ館

 自らも被災しながら熊本地震の被災者を電話相談で支える「熊本いのちの電話」常任理事の池田幸藏さんが1日、佐賀市のほほえみ館で心の傷をテーマに講演した。熊本いのちの電話には「余震が怖い」、精神疾患のある患者が心のよりどころである居場所をなくし「症状が悪化した」などの相談が多いといい、池田さんは心の傷の特徴や相手への寄り添い方などを語った。

 震災被害が大きかった熊本県益城町近くにあった池田さん宅は全壊。地震直前に「ドン」という音が聞こえたといい、震災から1年が経過しようとする現在も「トラックの(扉が閉まる)『ドン』という音を聞くと、思わず体を止めてしまう」と自身の恐怖体験を話した。

 親戚の家に身を寄せている被災者からは、時間が経過するにつれ互いに気まずくなり「もう我慢の限界」という電話もかかる。また、目に見えない心の傷は何度もぶり返す特徴があるという。池田さんは「『そうだよね』と共感し、寄り添うことを大切にしている」といい、「共感するためには豊かな感受性が必要で、旅行に行くことや絵画を楽しむことなどで養ってほしい」と話した。

 講演会は佐賀いのちの会が主催した。この日は唐津出身の二胡(にこ)奏者の西村美和さんによる演奏披露もあった。

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