福岡市博多区の原三信病院にタクシーが突入し10人が死傷した事故で、福岡県警が、事故直前の操作状況が記録される「イベントデータレコーダー」(EDR)を解析した結果、突入直前にアクセルを踏んだ形跡があったことが21日、捜査関係者への取材で分かった。

 自動車運転処罰法違反の疑いで逮捕、送検された松岡龍生容疑者(64)は「ブレーキを踏んだが、利かなかった」と一貫して供述しているが、県警はアクセルとの踏み間違えが原因との見方を強め、詳しい経緯を調べている。

 捜査の焦点は松岡容疑者の事故時の精神状態や運転能力に移る。福岡地検は来年2月28日を期限とする鑑定留置を実施しており、結果を踏まえて刑事処分を決める。

 EDRは航空機のフライトレコーダー(飛行記録装置)に当たり、事故時から5秒程度さかのぼってアクセルやブレーキの操作状況が自動的に記録される。県警はタクシーからEDRを回収し、警察庁の科学警察研究所に解析を依頼していた。

 捜査関係者によると、タクシーは約300メートルの市道を直進中に急加速、途中2カ所の交差点を一時停止の標識を無視して進入し、速度を上げたまま病院に突っ込んだ。周辺住民が「ブレーキランプはついておらず、直後に(病院の)ガラスを突き破った」と証言しており、解析結果はこうした目撃情報とも合致する。

 九州運輸局などによると、タクシーは事故の約半年前に車検に合格し、約1カ月前の定期点検でも「異常なし」と判断されている。県警も車の機能に異常がないことを確認している。

 事故は3日夕に発生。入院中の遠藤一行さん(53)、見舞いに来ていた花田盛幸さん(44)、美佐代さん(44)夫妻の計3人が死亡した。【共同】

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