農林水産省は31日、国営諫早湾干拓事業の開門調査費用に関し、2017年度予算の概算要求で金額を明示しない「事項要求」とした。関連訴訟が乱立し、開門の是非をめぐる相反する司法判断により、実現の見通しが立たないため。有明海再生事業には16年度予算と同額の17億9500万円を盛り込んだ。

 開門費用の事項要求は6年連続で、例年、状況を見極めながら年末の予算編成段階で計上している。16年度は準備工事費など61億8900万円を確保した。農水省の担当者は「関連訴訟で和解協議が進んでいるのは新しい局面だが、国が開門と開門禁止の相反する法的義務を負う状況は変わらず、引き続き関係者の接点を探る努力をしたい」と話す。

 また、2010年の福岡高裁確定判決に基づき、開門調査を実施するまで国が漁業者側に支払い続けている「間接強制」の制裁金の費用は、1日90万円の365日分に当たる3億2850万円を計上している。

 有明海再生の関連事業は、沿岸4県が連携して取り組む海域環境の保全、改善や水産資源の回復などに、例年と同額を要求した。

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