政府は20日、学校法人「加計(かけ)学園」問題などで批判された公文書管理の在り方を見直す案を、有識者による公文書管理委員会に提示した。政策立案や事業実施に影響する各府省庁内や外部との打ち合わせ記録を行政文書として扱い、情報公開の対象とするのが柱。複数の府省庁や外部との協議では、可能な限り相手方の発言を確認する仕組みも盛り込んだ。だが外部のチェック機能が働かないことから恣意(しい)的な運用がされる懸念が残る。

 政府はパブリックコメント(意見公募)や委員会の了承を経て、年内にガイドラインを改正する方針。菅義偉官房長官は記者会見で「各府省庁の統一的な考え方の下で、適正な文書管理を行うことになる」と強調した。

 見直し案では、正確性を確保するため、行政文書を作成する場合は原則として複数の担当職員と責任者が確認し、趣旨や日付を明示するよう定めた。行政文書に該当するメールなどの電子文書は共有フォルダーに移して保存する一方、私的な文書は個人フォルダーで管理し、公私の区別の徹底を図る。

 森友学園への国有地売却問題で、財務省が交渉記録の文書を廃棄が許される「1年未満」に分類して破棄し批判を招いた経緯などを踏まえ、保存期間1年未満に分類される行政文書の基準も示した。(1)日常的・定期的な業務連絡や日程表(2)別途1年以上の保存期間で原本が管理されている文書―などと例示。国民への説明責任を果たすため、意思決定の過程を検証できる文書は原則「1年以上」の保存を求めた。

 ただ1年未満に該当するかどうかを判断するのは担当職員ら「身内」で、日程表などの中には意思決定の過程を検証する際に必要となる文書が含まれる可能性がある。

 複数の府省庁や外部との協議に関する文書作成では、折衝を通じて一方に不利な情報が削除される恐れもある。一連の手続きが煩雑になり、作成が敬遠されるケースも想定される。【共同】

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