関節に「尿酸」という物質がたまり、炎症を起こして風が吹いても痛いほどの激痛に襲われるのが「痛風」という病気です。この痛風が最近女性に増加していることが話題になっています。

 痛風は、古代エジプト史にも記録されているほど古い歴史がありますが、日本で実際に増えたのは戦後からだそうです。血液中の尿酸濃度(血清尿酸値)が高くなることが原因で起こる病気で、女性は男性より尿酸値が低いため、病気になりくいと考えられてきました。

 確かに1992年の調査では、女性の痛風患者は全体のわずか1.5%でしたが、2004年には倍増し、最近さらに増加しているようです。

 尿酸値は、「食事に含まれるプリン体を作り出す成分+体質-尿中に排せつされる尿酸の量」で決まります。女性の場合、女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排せつを促す働きがあり、男性より尿酸値が低い傾向がありますが、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値は少し上昇します。

 ところが、女性の社会進出など状況の変化により、(1)外食が増加(2)ファストフードなど体内でプリン体を産生しやすい食生活(3)アルコール摂取の増加(4)ストレス過剰による女性ホルモンの減少-など、女性においても尿酸値が上がるような状況が増えていることが分かっています。

 これらの状況を総称して「オヤジ化」というのかもしれませんが、アルコールの過剰摂取や肥満、食事量の増加、肉食傾向、干物やレバーなどは尿酸を上昇させる要因です。心当たりのある方は健康診断などで尿酸の値に注目してみることが必要かもしれません。(佐賀大医学部附属病院 検査部長・末岡榮三朗)

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