■常識やモラルない戦場怖い 大戦の証言聞き、佐賀大大学院生

 戦後71年目の夏。戦後生まれが8割を超える中、大戦の記憶に向き合おうとしている孫世代がいます。

 「『戦場には常識やモラルがない』という言葉に怖さを感じた」

 戦時下の記憶の継承をテーマにしたシンポジウムに登壇した佐賀大の大学院生横尾健斗さん(23)は、戦争体験者の生々しい映像証言にたじろぎます。

 そうした存在が育っていても、まだまだ若い世代が心もとないのか、伊万里市の中野隆三さん(86)は、学徒動員先で長崎原爆の犠牲になった学友に追悼式であらためて誓います。

 「君たちの分まで長生きし、機会あるごとに戦争の苦しさ、むごさ、悲しさを語り、二度と過ちを繰り返すことがないよう訴え続けていく」

 天皇陛下が生前退位への思いをにじませたビデオメッセージで語り掛けたのもこの夏。ミクロネシア・ヤップ島で終戦を迎えた唐津市の出進さん(95)は、慰霊の旅を続けてこられた陛下の胸の内を推し量り、こう受け止めます。

 「昭和天皇の戦争を巡る責任や反省の気持ちをくみ、責任感のある行動をしていただいた。今度は国民が気持ちをくまないと」

 くまなければならないのは、あの大戦から何を学ぶかという教訓も含まれているのかもしれません。

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 鹿島市出身の今村雅弘衆院議員(69)は第3次安倍再改造内閣で初入閣。復興相への就任会見で「被災地に寄り添う」というフレーズを繰り返しながら一意専心、任に励む姿勢を強調。

 「私のようにはるか遠い九州の人間が東北の復興に取り組むことが被災者に勇気を与える」

 活躍に心が奪われたのは、大相撲の元力士で、水難救助で消防から表彰を受けた佐賀市の会社員川崎大輔さん(39)。嘉瀬川で溺れていた女性と幼児2人を抱きかかえて助けました。

 「3人を抱えて受ける川の流れは現役の時にも経験のない強さだった」

 そうはいっても、数々の体の大きな力士とぶつかり合ってきた経験があるから、なせたお手柄。

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 ブラジル・リオ五輪は、佐賀県勢にも注目が集まりました。ラグビー7人制男子日本代表の副島亀里(かめり)ララボウラティアナラ選手(33)=佐賀市=は4位に入った結果を県庁などで報告し、声援に感謝。

 「100%以上の力を出せた。自宅に戻って新聞記事を一枚一枚読み、自分たちがやったこと、失望させない結果を出せたことを確認できた」

 テコンドーの濱田真由選手(22)は2回戦で敗れ、失意のうちに大会を終えました。

 「金メダルを目標にやっていたので、メダルなしで終わったことに歯がゆさを感じている。テコンドーを知ってもらうには五輪という舞台しかない」

 4年後の東京でどうか雪辱を果たせますように。(年齢、肩書は掲載当時)

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