■ニュースの新鮮さを重視

 新緑がまぶしい季節となった。ゴールデンウイーク真っただ中、佐賀県内の行楽地はおおむねにぎわっているようだ。編集局には、この時期、連休中の写真グラフや動画の題材になりそうな情報が、支社局から寄せられてくる。

 114回目を迎えた有田陶器市、九年庵の春の一般公開など恒例行事はもちろんだが、新機軸のイベントも歓迎している。今年は若者のブームとなっているアニメの聖地巡礼やシーカヤック体験などが集まった。写真、動画など「絵で見せる」企画は、カメラマンの腕の見せどころ。読者が思わず、足を運びたくなるようなアングルやカットを競い合い、紙面に潤いを与えてくれる。残念ながら時間が取れない読者は、ぜひ紙面を通し雰囲気だけでも味わってもらえれば幸いである。

 政治・経済や事件・事故など連続性を重んじるニュースが多い新聞で、目新しさをどう出していくのか。詰まるところ読者をいかに惹(ひ)きつけていくか。写真グラフのほかにも、通年企画や特集も独自性をアピールする重要なツールとなる。

 さしずめ今年の目玉は明治維新プレ150年の通年企画である。毎週土曜日の「さが維新前夜」は明治改元から150年の節目を前に、幕末維新期の佐賀の軌跡をたどっている。毎月第2金曜日に掲載している「閑叟公からの手紙」は、幕末維新期の名君として知られる佐賀藩10代藩主の鍋島直正が長女の貢姫(みつひめ)に送った200通の書簡を取り上げている。娘だからこそ明かした直正の本音や、緊迫した時代の変化を手紙から読み解く。

 もう一つ、新年度から「地域の話題面」では、「ニュースの新鮮さ」にこだわり、できるだけ取材の翌日に掲載するよう努力している。

 もともと新聞は翌日掲載が原則だった。1面、政経面、社会面などは今もそれを意識した紙面づくりを続けているが、他紙との競合が少ない「地域の話題面」は、掲載が1週間以上遅れていたケースもあった。

 少し言い訳をさせてもらえば、お祭り、講演会などイベントは土日や休日に設定されることが多く、週末には載せ切れないほどの記事が届く。これに対しウイークデーはどうしてもネタが薄くなりがちで、休日の積み残しを回していた。残稿になった記事は余裕のある日に、それなりのボリュームで掲載できるメリットもあったが、今回は何より読み手の気持ちを最優先し、原点に立ち返った。

 レイアウトの変更や新たな企画をスタートさせるといった目に見えやすいものではないが、取材を受けた人は、取り扱いの大小に限らず、きっと翌日の紙面を楽しみにしているはずだ。

 NHKラジオ「文芸選評」で、こんな川柳の投稿が紹介されていた。「朝一で さわやか探す 地方版」。地方版というのは佐賀新聞でいう「地域の話題面」のことで、朝一番に新聞を読むわくわく感、楽しさがうまく表現され、こちらも勇気づけられた。

 わが社の取り組みは緒に就いたばかり。紙幅には限りがあり、翌日に掲載できない記事は、今も出ているが、新鮮さにこだわった紙面づくりは、今後も突き詰めていきたい。(編集局長 澤野善文)

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