ビール党には、楽しみな季節がやってきた。ドイツのビール祭り「オクトーバーフェスト」にちなみ、日本国内でも各地でイベントが計画されている◆日本ではせいぜい1週間のイベントだが、本場では連日飲み続けるようだ。オクトーバー(10月)という名は、この祭りが終わるのが10月だからで、実は9月の半ばから始まる。エッセイストの玉村豊男さんが著書『パンとワインとおしゃべりと』(中公文庫)で、ドイツ流の飲み方を紹介していた◆意外なのは、そのおつまみ。「まるで豚のシッポのようにも見えるが、大根だった。彼らはナマの大根をかじりながらビールを飲むのである」。さらには「プレッツェル」というパンも。「まるで、『おにぎりを食べながら日本酒を飲む』みたいでどうにも妙に思われるが、(略)冷たいビールによく似合う」◆ビールは古代エジプトでもなじみ深かったようだ。福岡市博物館であった国立カイロ博物館の収蔵品展で、副葬品に、パン造りとビール造り職人たちの人形を見つけた。素朴な人形たちがビールを樽(たる)に詰め、かまどでパンを焼いていて、なんともかわいらしい◆ピラミッドの建設作業員にもビールがふるまわれたというから、仕事を終えての一杯は大きな楽しみだったに違いない。もっとも、冷えたビール、とはいかなかっただろうが…。(史)

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