米国を除く環太平洋連携協定(TPP)の参加11カ国は21日、東京都内で首席交渉官会合を開いた。離脱した米国抜きでの発効に向け、現協定の一部を凍結することにしており、対象項目の絞り込みが議題。会合ではベトナムなどから新たな見直し要望が相次いだ。これまでの要望との重複を整理すれば合計で約50項目に上り、2日間の協議を通じ、各国の要望を認めるかどうかを判断する具体的な基準を作ることを目指す。

 会合で議論が進展すれば、目標とする11月合意の実現性が高まる。ただ、自国産業に有利になるような修正要求に踏み込む国もあり、意見集約は難航する可能性もある。

 全体会合の議長を務める日本の梅本和義首席交渉官は冒頭に「今回の会議で大きな前進を期待している。まだ長い道のりが残っており、議論を加速することが重要だ」と呼び掛けた。

 各国は米国の主張で協定に取り入れられた点を中心に、効力を一時的に棚上げする凍結や、修正を求める項目を提示。知的財産とその他の課題の作業部会に振り分けて検討する。日本は見直しを最小限にして早期発効を可能にする考え。米国が翻意すれば協定を元に戻すことで復帰を促す。

 8月の前回会合は医薬品のデータを8年間保護する項目の凍結で一致した半面、著作権の保護期間を延ばす規定などは結論を先送りした。さらに繊維製品の関税撤廃・削減対象を厳しく制限する「原産地規則」の修正を輸出国のベトナムが求めるなど、調整の難しい項目が多く残されている。

 渋谷和久政策調整統括官は21日夜、記者団に「それぞれの項目について、各国の主張が整理された。22日はもっと方向性を出したい」と話した。

 TPPは2015年10月に大筋合意に至ったが、米国がトランプ大統領の就任後に離脱。各国には米国への輸出拡大を優先し譲歩した分野もあったため、協定の一部を見直すことになった。【共同】

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