雲野尾峠の遠景(矢印部分)

■陣構え菊池氏らに対抗

 鳥栖市山浦にある古い時代のもう一つの山城「雲上(くものえ)城」について紹介しましょう。立石・山浦から九千部山頂や河内に行く山道の途中に、現在「雲野尾(くものお)峠」と呼ばれる高まりがあります。西側の斜面を下ると「御手水の滝」に行きあたります。九千部山への登山道として知られていますが、昔は道としての往来があったと考えられます。

 南北朝時代の応安6(1373)年、毛利元春ら安芸(広島)の武将たちが、菊池氏ら筑後の南朝方に対抗しようとして「雲上」に陣を構えた、と文献に残されています。調査では、堀切や平たん地があり城郭として造成された痕跡が認められています。

 山中には城郭よりも古い貞和2(1346)年の年号が書かれた石塔類をもった墓地もあります。この頃、「雲野尾峠」は生活領域だったようです。

(鳥栖郷土研究会会長・藤瀬禎博)

このエントリーをはてなブックマークに追加