虐待疑い、初の3万人超え

■関心高まり通報増か

 親や保護者から虐待されている疑いがあるとして、全国の警察が今年1~6月に児童相談所へ通告した18歳未満の子どもは3万262人だったことが21日、警察庁のまとめで分かった。昨年同期より5751人増え、半期ごとの統計がある2011年以降では初めて3万人を超えた。

 このうち生命や身体に危険があるとし、警察が緊急対応で保護した子どもは1787人に上った。昨年同期より236人増で、この統計を始めた12年以降、上半期では最多となった。

 警察庁の担当者は「社会的な関心が高まり、警察への通報が増えているのが要因とみられる」と分析。坂口正芳長官は21日の記者会見で「児童虐待および子どもの性被害防止対策を一層推進したい」と述べた。

 虐待の内容を見ると、暴言を吐くなどの「心理的虐待」が2万1406人で70・7%を占めた。中でも、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」の被害については、12年上半期の2434人から5倍以上に膨らみ、1万3859人に上った。

 ほかは、殴る蹴るなどの「身体的虐待」が5723人で全体の18・9%、ネグレクト(育児放棄)などの「怠慢・拒否」が3036人で10・0%、「性的虐待」が97人の0・3%だった。

 事件の被害者となった子どもは519人で、死亡したのは27人だった。男女別で273人だった女児は、26・0%が性的虐待を受け、増加傾向にある近年の深刻な状況が改めて浮き彫りになった。

 摘発件数は昨年同期より17件減の511件で、内訳では身体的虐待が411件。摘発されたのは528人で、うち性的虐待は72人。性的虐待の摘発者における子どもとの関係は、実父が26人、養父や継父が27人、母親の内縁の男が8人などで、女児と一緒に生活していたとみられる事案が多かった。

 都道府県別の通告者数は、大阪の4507人が最多で、埼玉の3631人が続いた。東京と神奈川、愛知も2千人台で、最少は鳥取の31人。【共同】

 佐賀県警の通告者数は39人で、前年同期に比べ3人増えた。内訳は「心理的虐待」が12人増の25人で過半数を占め、このうち面前DVが23人だった。このほか身体的虐待が9人、怠慢・拒否が5人だった。

このエントリーをはてなブックマークに追加