佐賀平野は、水田の早苗を風が優しく揺らしている。きょうは七十二候(しちじゅうにこう)の「半夏生(はんげしょう)」にあたる。昔から田植え終わりの目安だった。讃岐(さぬき)うどんで知られる香川では、半夏生にうどんを食べる風習が残っているそうだ。その年にとれた小麦で打ったうどんを、田植えの人たちに振る舞って労をねぎらう◆きょう2日は「うどんの日」でもある。香川県生麺事業協同組合が制定した。うどん発祥の地とされるのが福岡・博多。博多区にある古刹(こさつ)・承天寺(じょうてんじ)の石碑には「饂飩(うどん)・蕎麦(そば)発祥之地」と刻まれている。鎌倉中期の1241年に開山した聖一国師(しょういちこくし)が、中国・宋から製粉技術を持ち帰ったと伝わる◆これには香川から異論が。讃岐生まれの弘法大師(空海)が遣唐使として渡った中国・唐からの伝授だというのである。この本家争いの決着はつきそうもない◆佐賀は麺が柔らかい博多うどんの方になじみがあり、出汁(だし)がきいている。筆者は初めての東京で、醤油味(しょうゆあじ)の濃い関東風うどんに驚いた。秋田の稲庭(いなにわ)うどん、名古屋のきしめんなど、それぞれにひいきがあるだろう。それがソウルフードというものだ◆佐賀は全国3位の小麦の産地。地産地消や食への関心の高まりで、県産小麦のシロガネコムギやチクゴイズミを原料としたおいしいうどん麺が作られている。今年は半夏生にうどんもいいかな。(章)

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