所蔵のSP盤「唐津小唄」を聴く大河内はるみさん。録音時間の関係で5章だけだ=唐津市東唐津の洋々閣

収録に臨む六本木ヒロシさん(右)と三味線奏者の本條秀太郎さん=東京都内のスタジオ

■お国自慢の鉄道歌

 昭和5(1930)年、北原白秋が北九州鉄道(現在のJR筑肥線)の沿線観光ソングとして作詞した「唐津小唄」がCDで完全復刻される。お座敷や盆踊りで歌い継がれてきたが、時の経過とともに忘れ去られようとする中、郷愁を持つ昭和世代が唐津ゆかりの歌手やプロデューサーの手助けで復活させる。

 ♪博多出てから小富士も晴れて、いつか箱島、虹の浜~。唐津小唄は42章から成り、博多から呼子まで沿線の名所や名物を紹介していく。白秋は旅行記「五足の靴」で唐津を訪れたことがあり、ヒット曲コンビの町田嘉章が作曲した。

 「寝るがいやなら松原おこし」などと言葉遊びが多く「酔った勢いで書いたのでしょう。流れる感じが面白い」と唐津の民謡に詳しい旅館おかみの大河内はるみさん(72)。昭和33(1958)年には唐津市出身の歌手青木光一さんによるSP盤も出て、宴席や盆踊りで親しまれてきた。

 しかし近年は知る人も減り、2年前、城内地区の盆踊りの慰労会席上、寿司店主の松尾雄二さん(58)がギターを手に「こんな唄だったよね」と披露。眼科医院長の加藤博彦さん(52)や居合わせた唐津出身の歌手六本木ヒロシさん(38)とCD化が持ち上がった。

 歌は六本木さん、演奏は日本を代表する三味線奏者本條秀太郎さんが担当する。唐津ファンを自認するプロデューサー村多正俊さん(50)の橋渡しで東京のスタジオで収録し約40分の大作に。4月には発売予定で、小中学校に寄贈し、お披露目会も計画している。

 松尾さんは「子どもの頃、盆踊りというと唐津小唄だったが、五つ年下だと知らない」と話し「歌詞に歌われる、こんな素晴らしいまちに住んでいることを思い起こしたい」と語る。

 問い合わせは「唐津小唄を保存する会」(NPO法人まつろ内)、電話0955(70)0303、小松重範さん。

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