「ミカン産地を極める意識が模範」と評価されたJAからつ上場果樹部会の委員たち。前列右から2人目が坂口伸久会長=唐津市鎮西町のJAからつ上場選果場

産地ぐるみで高品質・多収を実現し、新規就農者の育成にも熱心に取り組んでいるJAさが神埼地区アスパラガス部会=神埼市

■最優秀・農林水産大臣賞 JAからつ上場果樹部会

ミカン産地形成の“模範”

 唐津市の旧郡部3町(鎮西、呼子、肥前)と玄海町からなる上場地域。果樹部会は1969年に発足し、現在125戸で構成する。甘夏もあるが、中心はハウスと露地の温州ミカン。審査では「ミカン産地を極めるという意識が他部会の模範」と評価された。

 産地づくりには2006年の農協合併前から旧JA上場が独自に実施してきた苗木助成がベースにある。合併後も継続し、10年間で約11万5千本を導入し、園地の若返りを進めてきた。

 JAからつはハウスミカンの全国最大の産地。質と量のバランスを考えた栽培管理で06年に10アール当たりの収量が4・2トンから約1トン向上した。燃油高騰で省エネ対策を迫られ、3重カーテンやヒートポンプ導入を推進。燃油価格の動向に左右されにくくなり、経費節減にもなって生産意欲の向上につながっている。

 露地ミカンはマルチ被覆率が高く、高品質の生産に努めている。01年から厳選品を「うわばの夢」として出荷。酸味を感じるクエン酸を下げるため、高温処理施設で県内初の技術に取り組み、14年からは長期貯蔵ミカンにも着手して高いブランド率を実現している。

 青年部を組織し、新技術の導入や産地間交流など次世代の育成にも力を注ぐ。

 主力のハウスは08年に2439トンあった集荷量が昨年は2017トンと減少傾向で、露地は高齢化で戸数減が見込まれている。坂口伸久会長(48)は「ハウスは基本管理を徹底して秀品率を上げるとともに、2400トンに戻したい」と語る。ハウス専作の仲間には露地栽培を呼び掛けていくつもりだ。

■優秀・JA佐賀中央会長賞 JAさが神埼地区 アスパラガス部会

反収、販売額5年連続県一

 生産量全国2位で、10アール当たりの平均収量(反収)でも全国トップクラスの佐賀県産アスパラガス。その中でもJAさが神埼地区アスパラガス部会は、反収と販売金額で5年連続県トップをひた走る。

 部会員は65戸。1992年の部会設立以来、反収アップを目標に互いに助け合い、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。現地検討会を定期的に開いており、技術を交換する風土が産地を形づくってきたという。

 県の平均反収2・3トンに対し、同地区は3トンに迫る高水準で安定し、5トン超えを達成した農家も7戸ある。生産者同士で作型を分散し、出荷量や時期を調整して安定供給と有利販売につなげている。

 4年前からは新たな挑戦としてホワイトアスパラガスの栽培をスタート。関東・関西に出荷し、安定的に栽培する技術の確立を急いでいる。栽培ハウスを出資者数人の資金で建設し、栽培管理を分担する「オーナー制度」を高齢化対策で始めるなど、農家の負担軽減や遊休農地の有効活用にも知恵を出し合っている。

 新規就農対策にも積極的で、就農希望者や外国人研修生らを受け入れ、栽培技術を惜しみなく伝授する。収穫1年目から収量を上げ、新人賞を取るほどで、「歴代の先輩たちのおかげ。若い人を育ててこそ産地は永く栄える」と井手元博部会長(63)。

 JAや自治体との連携の大切さも感じており、就農者の農地・ハウス取得のサポートを今後の課題に挙げる。春芽の旬真っ盛りの産地はさらなる飛躍を誓っている。

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