農林水産省は1日、全国の販売業者が扱う農薬や肥料といった生産資材の価格を一覧にし、農家が比較して購入できるウェブサイトを来年夏ごろまでに開設する方針を明らかにした。環太平洋連携協定(TPP)をにらんだ農業改革の一環で、インターネットで家電製品などの比較ができる「価格ドットコム」の農業版として農家の生産費引き下げを後押しする。

 日本の資材価格は海外に比べて割高とされ、自民党の農林関係会合でも引き下げを求める声が強い。このため農水省は新たな取り組みとして2016年度補正予算案で1億円の事業費を計上した。サイトの制作や運営は民間業者に委託する。

 掲載する情報については有識者の検討会で詰めるが、農薬や肥料、飼料、トラクターなどの農業機械について、販売価格や早期・大口割引、配送料・エリア、技術サービスの内容などの情報を開示したい考えだ。

 農業機械などサイト情報だけでは比較が難しいものについては、農家が購入を希望する作業能力や機能を指定し、複数業者から一括して見積もりを取れるようなシステムも検討する。農水省では今後、農協など資材の販売業者にサイトへの参加を呼び掛け、できるだけ多くの情報を掲載したいとしている。

 また生産資材とは別に、農家が農産物の販売先を比較できるよう、全国の卸売市場やネット通販、宅配業者の情報を公開するサイトも年度内に開設する。売買価格や手数料を一覧にし、農家が少しでも有利な条件で販売先を選ぶことで、所得を拡大できるようにする。【共同】

 ■農業改革 農家の高齢化などに伴う農業就業人口や生産額の減少など、農業の衰退を食い止めることを目的とした一連の改革。今年4月にはJAグループの組織を見直し、農家所得の増大を目的とした改正農協法が施行された。政府、自民党は環太平洋連携協定(TPP)発効をにらんで今秋にもさらなる改革の取りまとめを目指しており、資材価格の引き下げも焦点の一つとなっている。

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