香港返還20年記念式典で演説する中国の習近平国家主席=1日、香港(共同)

 【香港共同】香港が英国から中国に返還されて20年を迎えた1日午前、香港会議展覧センターで、中国の習近平国家主席が出席して記念式典が開かれた。習氏は演説で、若者を中心に台頭している香港独立の動きについて「中央政府の権力に対するいかなる挑戦も決して許さない」と強く警告、香港に対する統制強化の姿勢を示した。

 これを受け、午後には反発した市民らが香港中心部で民主化を求めてデモ行進し、主催者発表で6万人以上(警察発表は1万4500人)が参加。ノーベル平和賞受賞者で中国当局の監視下で入院中の民主活動家、劉暁波氏の写真を掲げ即時解放も要求した。

 香港では近年、急速な「中国化」への反発が高まっている。習氏の強硬姿勢で、親中的な姿勢を取る香港政府と民主派の対立も深まり分断がさらに進みそうだ。香港は「一国二制度」下で「高度の自治」や言論の自由、司法の独立が約束されているが、中国の影響力拡大を受けた同制度の形骸化が指摘されている。3月の選挙で香港政府トップの行政長官に当選した林鄭月娥氏の就任式も1日、行われた。習氏は林鄭氏ら政府幹部に「香港独立運動を抑え込み、安定を維持するため困難に立ち向かわなければならない」と述べ、独立派の締め付けを強化するよう指示した。

 習氏は香港独立の動きについて「越えてはならない一線に抵触している」と強調、今後も締め付けを強化していく方針を明確にした。一国二制度は「国家統一を実現するためのもの」だとし、あくまで「一国」が基本だと強調。同制度を「変わらず、揺らぐことなく」堅持するとも表明した。

 「中国の急速な経済発展は香港に得難いチャンスを与えた」とし、香港経済への中国の貢献をアピール。香港の青少年に対する「愛国主義教育を強化しなければならない」との考えも示した。

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