有明海の漁場環境改善に向けた基金案について話し合った4県と漁業団体、国の関係者=福岡市博多区の博多サンヒルズホテル

 国営諫早湾干拓事業を巡る開門訴訟に関連し、佐賀、長崎など4県と漁業団体、国などでつくる「有明海漁場環境改善連絡協議会」が2日、福岡市で開かれ、開門の代替策として国が示した基金案を協議したが、結論は出なかった。開門問題とは別に協議を続け、10月末までに基金案の内容を取りまとめる方針では一致したものの、「開門をしない」前提の国と、開門調査実施を求める佐賀県有明海漁協などとの隔たりは埋められないままで、引き続き難航しそうだ。

 連絡協議会は開門問題に触れないことが条件の場で、会長を務める金丸康夫九州農政局長が冒頭、開門の是非は発言しないことを改めて確認した。その後、非公開で行った。

 会議後、農水省は今後、幹事会で基金案の具体的な事業や運営体制を論議し、10月中下旬に協議会を再度開く日程を説明した。

 横井績農地資源課長は「有明海再生という目標は一致している。それぞれ思いがある中で協議が始まったことは一歩前進と捉えている」と評価した。その上で「長崎地裁の和解勧告に沿う形での解決法しか考えていない」と強調し、開門の是非については「別の場で議論する」と繰り返した。

 佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は記者団に「方向性は同じと言うが、国は『開門しない代わり』の基金案としている。われわれは有明海再生のための予算措置を求めていて、認識が違うようだ」とけん制した。

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