「鹿島は民間活力の強いまち」。そんな話を聞いたのは、武雄市幹部からだった。近所同士、付き合うと分かるらしい◆下地はここにあるように思う。毎年秋に鹿島市の祐徳稲荷神社境内で「伝統芸能フェスティバル」が開かれ、市内各地区の伝承芸能保存会が選ばれて出演する。県内では最も多く民俗芸能が残っており、80を数える。村落共同体、地域コミュニティーが充実している証しである。民間活力もそこから生まれる◆30年以上続く干潟の祭典「鹿島ガタリンピック」が、地域おこしに貢献した団体を表彰する「サントリー地域文化賞」に輝いた。「続けてきて良かった」というのが関係者の思いだろう。ふるさとを元気にしたいとの一心だった◆高速交通体系からはずれた危機感をバネに始まり、「民間でやれるものは民間で」が合言葉だった。主催するフォーラム鹿島初代代表世話人で前市長の桑原允彦さん(72)は「各種団体の垣根を取り払うことから始めた」と、かつて話してくれたことがある◆鹿島おどりは健在だし、5年前に始まった「酒蔵ツーリズム」も人気だ。ほかの市町では「民間に人材がいない」とよく聞くが、魅力的な人たちが存在しないわけではない。要はリーダーと団結力-。長い年月と熱意で一体感が醸成されてきた鹿島の「市民力」が語っている。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加