対馬物語の一場面。左が宗義智、中央が義父の小西行長

マリアが対馬を去って行く場面

 豊臣秀吉の朝鮮出兵後の日本と朝鮮の友好回復に尽力し、江戸時代の平和外交使節団「朝鮮通信使」を実現させた対馬初代藩主、宗義智(そうよしとし)(1568~1615)の半生を描くミュージカル「対馬物語」が27日、対馬藩の飛び地で今も交流が続く鳥栖市で初上演された。長崎県対馬市主催で、500人が壮大な歴史ロマンと純愛の物語を堪能した。

 「対馬物語」は人気作家ジェームス三木さんの脚本。対馬市の市民劇団「漁火(いさりび)」が2011年から韓国釜山や福岡、東京など各地で上演している。

 古くから対馬は朝鮮と交易していたが、義智は秀吉の命令でやむなく出兵。徳川家康の天下になると一転して朝鮮との和平交渉役を命じられる-という物語で、小西行長の娘で正室のマリアとの愛と苦悩を交えながらテンポよく展開した。見せ場の一つ、義智とマリアが宗家を守るために泣く泣く離縁する場面では、思わずハンカチで目頭を押さえる人たちの姿も。

 11月に対馬を訪ねる「基肄(きい)かたろう会」の山田和彦さん(69)=基山町=は「基山もかつては対馬領で、対馬についてもっと知りたいとの思いで来たが、感激しました。特に義智が国交回復のために命を懸けて国書を改ざんする場面など、良かったですね」と感想を話した。

 一方で、劇団生みの親でNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会の松原一征(かずゆき)理事長は「団員一同、鳥栖公演ということで一層力が入っていた」と公演成功にほっとした表情を見せた。

 両市は毎年、対馬市の子どもたちが修学旅行で鳥栖を訪れたり、鳥栖市の子どもたちが対馬で自然体験を楽しんだりして交流している。今公演のお返しに来年は鳥栖市の「キッズミュージカルTOSU」の子どもたちが対馬市で上演する。

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