「特別点検」で設備をチェックする九州電力玄海原発の作業員=東松浦郡玄海町(九電提供)

■使用前検査を申請

 玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)に関し、九州電力は28日、最後の手続きになる使用前検査を原子力規制委員会に申請、来年1月に再稼働させる方針を明らかにした。玄海原発の再稼働時期を具体的に示したのは初めて。

 九電が申請した計画で検査期間は9月11日から来年2月までの約5カ月。審査中の保安規定変更認可が得られれば12月に核燃料を装填(そうてん)し、来年1月に核分裂を抑えていた制御棒を引き抜いて原子炉を起動する。2月に出力が100%になった状態で最終的な検査を行い、通常運転になる。

 使用前検査は原子力規制庁の検査官が、実際の安全対策について工事計画通りに実施されているかどうかを現地で確認する手続き。材料や寸法、外観・据え付け、耐圧・漏えいを点検するほか、核燃料装填、原子炉起動、運転の各段階で設備が正常に動くかどうかをチェックする。

 玄海3、4号機は1月、再稼働の前提となる規制委の新規制基準適合性検査に合格、4月下旬に佐賀県の山口祥義知事が再稼働に同意した。3号機は今月25日に工事計画の認可を得ていた。4号機も工事計画が認可され次第、同様の手続きを取るが、見通しは立っていない。九電の瓜生道明社長はこれまで「まずは3号機を年度内に再稼働したい」と述べていた。

 九電は28日、熊本地震を踏まえて各設備の地震対策をチェックする「特別点検」にも着手した。3、4号機の主要設備に加え電気や制御機器類、建物など設備全般を確認する。この日は、建屋内の空調用ファンに異常な振動がないかや、格納容器内の扉付近のコンクリート構造物に割れがないかなどを点検した。

 規制庁の使用前検査に関し、佐賀県の副島良彦副知事は「机上ではなく現場で実物の検査になる。国や九電は万が一にも事故を起こさない覚悟を持ち、ボルト1本まで真剣に取り組んでほしい」と注文した。九電の特別点検では「鹿児島県の川内原発で既に実施されており、学んだこともあるはず。現場で気づきがあれば、決められたことだけでなく自主的に点検し、安全に思いを至らせて取り組んでほしいと思う」と要望した。

■時間かかり過ぎ 玄海町・岸本町長

 九州電力が玄海原発3号機の再稼働時期を2018年1月と想定していることを受け、立地する玄海町の岸本英雄町長は28日、「時間がかかり過ぎだと感じるが、再稼働に向け前進したことについては喜ばないといけない」と述べた。町は税収面などでのプラス効果が見込めるとして早期再稼働を望んでいる。

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