■知識活用は依然苦手

 文部科学省は28日、小学6年と中学3年の全員を対象に4月に実施した2017年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。公立校の都道府県別平均正答数を過去と比べると、地域差縮小が進み下位層の底上げ傾向が続いていると説明。初公表の政令指定都市は多くが全国平均を上回った。一方、知識活用問題は依然苦手とされた。児童生徒アンケートでは部活動時間や主体的な学びへの意識を尋ね、学力との関係を分析した。

【2017年度全国学力テスト】 都道府県別・政令市別結果、問題と解答

 文科省は年度ごとの全国平均正答数を100と換算し、都道府県の上位層と下位層の平均正答数の差を比較。中3の数学Bでは08年度に6ポイントあったが17年度は4ポイントになり、小6の国語Aでは13年度に5ポイント以上あった差が3・7ポイントに縮まった。

 前年度より差が開いた教科もあるが、担当者は「下位層が平均に近づく傾向はここ数年変わらない。先進的な授業内容を共有するなどの努力が奏功している」と述べた。

 都道府県別の平均正答率の上位は秋田や石川、福井、富山などが占める固定化が継続。教育行政の権限拡大に伴い今回から公表された政令市20市のうち半数以上が、国語、算数・数学の各教科で公立校の全国平均正答率を上回り、各教科で同じ道府県の他地域と並ぶか上回ったのも10市に上った。各教科で上位のさいたま市教育委員会は「教委が全教員の授業を見て課題や良い点を話し合ってきた」と説明した。

 一方、国公私立の全国平均正答率は各教科とも基礎的なA問題より活用力をみるB問題が5・1~32・6ポイント下回り、公立校でも5・2~32・7ポイント下回った。資料に基づいて考えを書く問題の正答率が低いなど例年と同様の課題が示された。

 アンケートと組み合わせた分析では、国公私立の中3で平日の部活動時間が「1時間以上2時間未満」の生徒が最も平均正答率が高かった。ただ文科省は「生活状況なども学力に影響し、部活だけでは判断できない」とみている。

 同級生との議論などを通して「考えを深められたと思う」と答えた小6の平均正答率が国語Aで78%となり「そう思わない」の66・9%を上回るなど主体的な学びに肯定的な児童生徒の平均正答率が各教科で高かった。

 17年度は国公私立の小中計約3万校の約203万7千人が参加した。【共同】

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