自分自身を認めている子どもほど平均正答率も高い傾向にある-。2017年度全国学力テストの児童生徒アンケート結果から、文部科学省はこんな分析を提示した。政府の教育再生実行会議が「自己肯定感の向上」を重要課題に掲げており、複数の調査項目の中から相関関係をクローズアップした。有識者からは、自己肯定感と学力を単純に結び付けることに懸念の声も上がっている。

 日本の子どもの自己肯定感は、以前から海外と比べて低いと指摘されてきた。14年の国際調査では、「人並みの能力がある」と考える日本の高校生が55・7%だったのに対し、米国の高校生は88・5%だったとの結果も出ている。

 文科省によると、アンケートでは「自分には、よいところがあると思いますか」との質問に、小6の38・6%が「当てはまる」と回答。毎年同じ質問をしており、07年度の初回調査の29・5%から増加傾向が続いている。

 平均正答率との相関では「当てはまらない」や「どちらかといえば、当てはまらない」と答えた児童よりも、「当てはまる」や「どちらかといえば、当てはまる」と答えた児童の方が成績も良い傾向にあった。中3もほぼ同じ傾向が出た。教育再生実行会議が6月にまとめた提言で「子どもたちが自らの個性を発揮し、自信を持って未来を切り開く」などと目標を掲げており、文科省は今回、自己肯定感の項目を強調して公表した。

 ただ、藤田英典共栄大教授(教育社会学)は「元から成績の良い子は、ほめられて自己肯定感が高まるという相関が考えられる」と指摘し、「日常生活での努力や、思いやりを持った行動を認められても子どもは喜ぶ。テストの点数との結び付きばかりを強調するのは誤ったメッセージになりかねない」と指摘する。【共同】

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