鍋島直正公銅像(奥)の前で祝砲を放つカノン砲。大勢が詰め掛け、再建を祝った=佐賀市の佐賀城鯱の門北側広場

鍋島直正公銅像再建記念式典で感謝状を受け取る竹田正彦さん(中央)=佐賀市の佐賀県立美術館ホール

■佐賀城を愛する会の地道な再建運動実る

 幕末の佐賀藩を雄藩に導いた10代藩主鍋島直正公の銅像が4日、73年ぶりに再建された。街頭での署名活動で地道に銅像の復元を訴え、官民一体の再建運動を支えてきた佐賀城本丸歴史館(佐賀市)のボランティアガイドも感慨に浸った。

 「偉業を顕彰するシンボルがようやく復活した。感無量」。ボランティアガイドの有志でつくる「佐賀城を愛する会」代表の竹田正彦さん(77)=佐賀市=は、除幕された銅像を前に喜びをかみしめていた。

 視野が広く、進取の精神に富んだ直正公は、藩の財政改革や人材育成、日本の近代化の礎となる科学技術の発展に尽くした。その銅像が再建された場所は1835(天保6)年、火災で焼失するまで直正公が執務をした佐賀城二の丸跡だ。

 愛する会は2012年、佐賀市松原にあった直正公銅像の復元を求める署名活動を始めた。手作りのチラシで賛同を呼び掛ける草の根の運動で、官民のトップらが再建委員会を発足させる足掛かりになった。

 「県民運動の機運を盛り上げ、募金活動の最前線に立ち続けてきた」。再建委の井田出海会長は、愛する会の功労をこうたたえ、記念式典で感謝状を贈った。山口祥義知事は全国からの多額の寄付に感謝し、「皆さんの志を未来につなげていく」と決意を述べた。

 一連の祝典には、再建委の発起人を務めた張富士夫トヨタ自動車名誉会長や古川貞二郎元内閣官房副長官も駆け付けた。張名誉会長は、近代化における直正公の功績を示しながら「世界を追いかけ、追いついた」と称賛し、しのぶよすがの誕生を祝した。

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