22日組鳥栖三神 みどりのくすり箱

 秋という漢字に草冠で「萩」。ハギは日本各地の山野に見られる植物で字が示ごとく、秋に花の見ごろを迎えます。ハギの伸びた枝が風になびき揺れ、赤紫色の花が咲きこぼれる姿は、しだれる枝にとまった小さなチョウのようで、万葉人たちがこよなく愛した花として知られています。

 万葉集の中で最も多い141首の歌に詠まれ、ハギを秋の七草の一つに数え歌にしたのが山上憶良。1300年以上を経た今も、彼の歌に見る「萩、尾花(おばな)、葛花(くずばな)、撫子(なでしこ)、女郎花(をみなへし)、藤袴(ふぢばかま)、朝貌(あさがほ)の花」は、日本の秋野を美しく彩ります。

 その昔、枝や葉は屋根葺(ぶ)きの材料に用いられたり、葉を落とした枝は束ねて、ほうきとされたりと暮らしに溶け込み、また、ハギの根を煮出した汁(煎汁)は、めまいやのぼせに用いられたといいます。(中冨記念くすり博物館)

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