脳死判定された女性から提供された両肺の上部を組み合わせて左の肺を形成し、肺気腫の50代女性に移植する世界初の手術に成功したと、岡山大病院が2日発表した。

 提供された両肺は下部の状態が悪く、片肺をそのまま使う通常の移植はできなかった。

 執刀した臓器移植医療センターの大藤剛宏教授は記者会見し「日本では臓器が足りず一つも無駄にできない。少しでも状態のいい部分を使い、患者を助けたい」と話しており、治療の選択肢を広げると期待される。

 手術を受けた女性は岡山県在住。肺胞が壊れて息切れやせきなどの呼吸器障害を引き起こす肺気腫を2007年に発症、11年に右肺の移植を受けた。一時改善したが、左肺の病状が悪化し人工呼吸器を使用していた。

 手術は1日実施し、提供された左肺の上部約2分の1を女性の左肺の上部に、右肺の上部約3分の1を左肺の下部に移植した。術後の状態は安定し、3カ月ほどで退院できる見通し。

 大藤教授は数年前からブタの肺で実験を繰り返し、研究を進めてきた。

 肺の提供者(ドナー)は鹿児島県立大島病院で6月29日に脳死判定された50代の女性。

 肺移植を受けた女性は「尊い臓器を提供していただいて心より感謝しています。元気になったら海外旅行をして、ドナーさんと一緒に海外の景色を見たいです」とのコメントを出した。【共同】

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