将棋の竜王戦決勝トーナメントで、佐々木勇気五段に敗れ公式戦の連勝記録が「29」でストップした藤井聡太四段=2日夜、東京都渋谷区の将棋会館

 「負けました」。小さな声で告げ、頭を下げた。前人未到の快進撃が止まった。デビューから公式戦無敗を続け、6月26日に29連勝の新記録を作った将棋の最年少棋士、藤井聡太四段(14)は2日、竜王戦決勝トーナメントで佐々木勇気五段(22)と対戦、プロとして初めての負けを喫した。

 対局開始は午前10時。約100人の報道陣が対局を見守った。振り駒の結果、先手となった佐々木五段が初手を指すと、藤井四段はお茶を飲んで気息を整えた後、静かに次の手を指した。

 序盤から難解な攻防が続き、藤井四段は少考を繰り返す。佐々木五段は研究してきた手順なのか、気持ちよさそうに駒組みを続けた。

 序盤から終盤まで若手実力者の佐々木五段が、巧みな指し回しでペースを握り続けた。藤井四段は揺さぶりをかけたが、一度も形勢を逆転することはできなかった。

 発売されたばかりの「藤井グッズ」が売り切れ、将棋専門誌やトップ棋士の扇子がよく売れるなど「藤井効果」は明らか。連勝記録がストップしたとはいえ、天才棋士の歩みは始まったばかり。“フィーバー”はまだしばらく続きそうだ。【共同】

■盛り上げてくれた

 藤井聡太四段の師匠、杉本昌隆七段の話 ここまで将棋界を盛り上げてくれたことに、師匠として、一人の棋士として「ありがとう」と言いたい気持ち。連勝は止まりましたが、ここからが本番。今まで通り、将棋好きの少年の気持ちを忘れずに。一喜一憂せず、次の記録に向かって精進してください。

■経験糧に目標へ

 藤井聡太四段の母親裕子さんの話 勝負なので負けは仕方のないことだと思います。経験を糧にしてこれからも「強くなる」という目標に向かって進んでいってほしいです。

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