政府税制調査会は9日、専業主婦世帯などの所得税額を軽減している配偶者控除の見直しに向けた議論を再開する。配偶者控除を廃止し、働き方を問わずに適用する「夫婦控除」へ転換する案が有力。税収減を抑えるため所得制限を設ける方向で検討が進む見通しだ。

 配偶者控除は1961年に導入され、高度成長期の専業主婦世帯を支えた。その後、社会情勢の変化に応じて共働き世帯が増えていき、80年の614万世帯から2015年には1114万世帯に拡大。いわゆる「103万円の壁」が女性の働く意欲をそいでいるという指摘もあり、安倍晋三首相が14年に見直しを指示した。

 9日の税調総会には首相も出席する予定。政権の重要課題である働き方改革とも連動させ、非正規雇用で収入が低い若者世帯でも子育てなどがしやすい制度の在り方を議論する。

 配偶者控除を夫婦控除に転換すれば対象者が増え、税収が大幅に減ることにもなりかねない。このため、世帯主や夫婦合算の所得が一定以上の場合は対象から外したり、控除を段階的に縮小したりする措置を検討する。

 控除見直しで増税となる世帯からは反発も予想される。政府は「家族構成が昔と変わり(対応を)考えないといけない時期だ」(麻生太郎財務相)と推進する姿勢だが、世論の動向を見つつ、導入時期を含め新制度の進め方を慎重に判断することになりそうだ。

 夫婦控除の新設に際し、事実婚カップルへの対応を求める声が出る可能性もある。配偶者控除に準じる形で家族手当を支給している企業も多く、税制にとどまらない社会制度見直しのきっかけとなる可能性もある。

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