温州ミカンの埋め込み式根域制限栽培を研究

 佐賀県果樹試験場(小城市)は、埋め込み式で行う温州(うんしゅう)ミカンの根域制限栽培の研究に取り組んでいる。埋め込み式は従来型に比べて導入コストが抑えられ、水管理の省力化を図ることができる。県産ミカンのブランド向上を目指し、園地の状況に合わせて従来型と使い分け、栽培法の導入を加速させたい考えだ。

 温州ミカンの高品質化には、地表面にマルチシートを張って雨を遮り、糖分を高める必要がある。ただ、シートだけでは園地条件や気象の影響を受けて効果が不安定なため、県は高品質ミカンの安定生産につなげる技術として根域制限栽培を開発し、2001年から導入している。

 従来のベット方式の根域制限栽培は、地面上に遮水性の防根シートを敷き、そこに培土を盛って木を植え、周囲をブロックで固めている。シートとかん水設備で土の中の水分量を人為的にコントロールして人工的な適地をつくることができ、水はけが悪く、栽培に適さない水田転換畑などでも導入されてきた。

 県内のミカンの根域制限栽培の面積は16年時点で781アール。増加傾向にあるものの、導入コストが約200万円かかり、夏場の細やかな水管理、水源の確保も必要で、規模拡大には限界があった。

 埋め込み式は、地面を掘って根のみを遮断する透水性のシートを敷き、培土を盛って木を植える仕組み。土壌の乾燥が従来型より緩やかで多量の水を必要とせず、煩雑な水管理が不要になる。小規模な基盤整備で導入が可能で、マルチの効果が低い一般の栽培園でも導入できる。費用も従来型より50万~70万円程度安く抑えられるという。

 同試験場では15年までに、土を掘り下げる深さを10センチ、20センチ、30センチの3段階に分けて実証実験を行い、20センチ、30センチで木の容積の増加率が従来型と同等以上という結果が得られた。埋め込み式を現場で広めるため、水管理の基準などを確立させる研究を続けている。

 県は、糖度と酸度の基準を満たす県内のブランドミカンの割合を6割近くまで引き上げることを目標とする。常緑果樹研究担当の田島丈寛さんは「マルチの効果を安定的にし、より低コストで省力化できるよう技術開発を進めたい」と話す。

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