園木春義さん

■「きやま創作劇」実行委員会会長 園木春義(そのき・はるよし)さん(69) 

 町内に伝わる民話や史実をもとにした「きやま創作劇」の実行委員会会長を務める。「未来の基山に伝えたい『今』を見つめ、語り継いでいく。できることをできる範囲で、楽しみながらやっている」と目を細める。

 基山町長野地区で生まれ育ち、飲料メーカーを早期退職後、本格的にまちづくりに関わるようになった。きっかけは、約10年前にあった基山町史の編さん事業。地元の神社の案内を務め、「地元の人でも知らないことがこんなにたくさんあるのか」と気づいた。

 2011年8月に有志で「基山の歴史と文化を語り継ぐ会」を発足させた。根っこには「編さん事業の中で集めたものが、全て町史に収まったわけではない。宝の持ち腐れにならないようつなぎ、光を当てたい」という思いがあった。編さん事業の成果展を毎年町立図書館で開いており、今年で9回目を迎える。

 12年からは町内にある国指定特別史跡「基肄(きい)城」の成り立ちを広く知ってもらおうと創作劇「こころつないで 基肄城に秘められたおもい」をスタートさせた。小中学生が舞台に立ち、衣装や舞台道具は地域の大人たちが手作りする。年々ステップアップし、15年に町内開催された古代山城サミットで披露した時は「多くの首長や文化庁の方も涙ぐんでいた」と満足そうに振り返る。

 同年でいったん活動を終える予定だったが、「これだけ人々を感動させるものをなくしてしまうのは忍びない」という声が町内から次々と上がり、昨年からきやま創作劇として生まれ変わった。

 昨年の劇「ホタル列車」では、自身も舞台に立った。「演者としては子どもたちが先輩。表情や目線の位置など教えてもらうことが多い」。劇に関わった子どもたちが、高校や大学に進学しても見に来てくれたり、裏方として加勢してくれたりするのも喜びだ。

 「自分たちが携われる期間はそう長くない。でも、つないでいけば、その思いはずっと続いていく」。“郷土の歴史を語れる子ども”が、育っている現状に手応えを感じている。

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