天皇、皇后両陛下の結婚の際に配られたボンボニエール(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)

■引き出物の小菓子器

 皇室が長年、引き出物として制作してきた菓子器「ボンボニエール」。手のひらに収まる小箱は、天皇陛下や皇族の結婚をはじめ、多くの儀式で配られ、皇室の慶事を彩ってきた。陛下が退位し、皇太子さまが新天皇に即位する際や、秋篠宮家の長女眞子さまの結婚でも作られる見通しだ。

 宮内庁三の丸尚蔵館の学芸員五味聖(ひかる)さんによると、祝いの場で箱に入れた砂糖菓子を配るヨーロッパの慣習を、明治の皇室が取り入れたと考えられている。1889年、明治天皇主催で開かれた大日本帝国憲法の発布を祝う晩さん会で作られたものが始まりとされる。

 その後、皇族の結婚など重要な儀式の際にも配られた。

 大正時代に入ると、外国からの賓客用に、和舟やかぶとなど多様なデザインが増えた。中には主にコンペイトーが入れられ、戦前、軍人だった男性皇族の慶事の際には、砲弾や飛行機、戦車形もあったという。五味さんは「デザインから時代背景を感じるものも多い」と話す。【共同】

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