議員報酬だけでは生活費も足りず、地元で塾を開く松並陽一小城市議=小城市牛津町

■手取り月20万円弱、週3日副業

 小城市議会(定数22)は昨年12月、2018年2月の改選から定数を2削減する条例改正を決め、政務活動費の制度化は必要としつつ議論を続けている。若手市議の実情を探った。

 木曜日夜、小城市牛津町の学習塾で市議の松並陽一さん(34)が高校受験を間近にした中学生たちと向き合っていた。週3日、塾講師として英語と数学を教えている。「受験前は書き入れ時。月10万円ほどの収入になる。でも4月からぐっと減って月2万円ほど。それでも議員報酬だけでは毎日の暮らしが苦しいので…」と苦笑いする。

 小城市の議員報酬は月37万4000円。政務活動費は制定されておらず、費用弁償は1回1900円。月額の手取りは、所得税や住民税、国民健康保険などの社会保障費を差し引くと20万円を切る。「残ったお金で食費と生活費、それに慶弔費…。残額を考えると、議員資質を磨く会費制の研修会にも参加できません」

 「地域のために役立ちたい」と大手食品会社を脱サラして14年2月の市議選で初当選した。減収を覚悟した上での専従議員への転身だったが半年後、副業で塾講師にならざるを得なかった。「小さな地方議会で、議員報酬だけで政治活動するのは無理がある」

 昨夏、活動費を充実させる必要性を痛切に感じた。「18歳選挙権」導入に合わせ、高校生に地方政治の重要性を訴えるシンポジウムを手弁当で開き、会場費や資料代だけで約4万円かかった。「政務活動費の制度があれば」との思いは強い。当日、高校生の参加者はゼロ。「有権者に(活動を)理解してもらうには結果を出さないといけない」

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