障害者スポーツに初めて触れたのは29年も前になる。大分市で開かれた第7回大分国際車いすマラソン大会に、佐賀から参加した選手を取材した時のこと◆外国や他県勢に交じり、ハーフの部に出場した3人の選手の一人が、車いすバスケット日本代表の主将を務めた伊藤平太さん=当時33歳=だった。日本人トップタイムでゴールした伊藤さんは、抜群の運動神経とスタミナを誇っていた。この4年後に不慮の交通事故で亡くなったのが、今でも惜しまれてならない◆初めて見た車いすマラソン。腕の力だけで想像を超えるスピードを生み出す迫力に圧倒されたのを覚えている。その後、障害者スポーツはすそ野を広げた。最大の祭典、パラリンピックがリオデジャネイロで明日(日本時間8日)開幕する◆練習場所の確保、資金難、指導者との出会い…。選手たちは過酷な条件をつきつけられながらも、自分自身と闘い続けてきた。その姿に触れ、声援を送りたい。関心の高まりは、今回初めてNHKが生中継することに現れている◆パラリンピックの起源は、第2次大戦の負傷兵のためのリハビリである。目標があることで乗り越えられるものがある。ひたむきに挑戦する姿は、同じ障害の仲間のみならず多くの人々の励みになる。世界に挑む選手たちを、日本勢の頑張りを、応援したい。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加