鳥は視覚が特に発達した生き物である。上空から遠くの獲物を素早く見つけるためで、視界は広く視力もケタはずれだ◆鳥類学の本によれば、タカはヒトの6倍以上の視力を持ち、ハヤブサの仲間のアメリカチョウゲンボウなら18メートルも離れた木の上から、ほんの2ミリの虫を見つけることができるそうだ。中にはヒトとほぼ同じ色彩感覚を備え、紫外線さえ感知できる種もいるというから、うなってしまう◆鳥は常に空の上から俯瞰(ふかん)して見ているわけだが、この「鳥の目」の大切さを口癖にしているのが小池百合子都知事。都議選で自ら率いる「都民ファーストの会」が圧勝し、小池氏勢力で過半数を占めることに◆加計(かけ)学園問題に防衛大臣の失言…。いろいろあって歴史的な大敗となった自民党は自滅した格好である。日本列島を上から見下ろした時、安倍政権への民意の不信が、マグマのように熱くたぎっているのを読み切った小池氏と見誤った自民。受け皿さえあれば自民が負けることがあることを教えた。センサーを働かせ感知しなければ、行く先に政治の晴れ間はない◆どんな世界でも鳥の目に加え、地べたをはいずり回り近距離でよく見る「虫の目」も要る。同志が増え真価が問われる小池氏。都政の課題など政治の壁を越えられるかは、複眼の発想ができるかにかかっているだろう。(章)

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