内閣府は29日、来年1月にも再稼働する九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)での重大事故に備えた原子力総合防災訓練を、9月3、4の両日に実施すると発表した。東日本大震災以降では5回目で玄海地域では初めて。地震との複合災害を想定し、中央と現地の連携や国が了承した避難計画を検証する。3、4号機の再稼働前では最後の訓練になる。

 内閣官房や原子力規制庁など367機関、約6500人が参加する。佐賀、福岡、長崎3県の原子力防災訓練と合同開催になる。訓練では、佐賀県北部でマグニチュード7・0、最大震度7の地震が発生し、玄海4号機から放射性物質が放出される事態を想定。昨年12月に国が了承した避難計画を検証する。

 事態の進展に合わせて、原子力防災担当副大臣らの現地派遣、官邸や現地での対策本部立ち上げ、テレビ会議などによる情報共有や防護措置の意思決定、住民避難を重点に確認する。

 九電の福祉車両を使って半径5キロ圏の要援護者を避難先まで運ぶほか、県バス・タクシー協会との協定に基づく車両避難も初めて行う。離島では放射線防護対策施設への屋内退避、安定ヨウ素剤の配布、海路や空路での避難、離島への医師や医薬品の搬送を訓練する。

 当日は玄海町、唐津市、伊万里市とその周辺の携帯電話に、緊急速報メールが訓練配信される。避難計画で半径30キロ圏の住民は3県で26万2826人。

■原子力防災相、30日に来佐

 再稼働の準備が進む九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備え、中川雅治原子力防災担当相は30日、佐賀県の山口祥義知事と面談し、県内の放射線防護対策施設などを視察する。9月3、4の両日に実施する国の原子力総合防災訓練に協力を求めるほか、地域の課題について意見交換し、原子力防災対策の充実に反映させる。

 中川氏は29日、長崎県知事と会談、30日は山口知事と連携強化や対策の充実などに関し意見を交わした後、玄海町の玄海エネルギーパークで九電から発電所の安全対策の説明を受け、施設内の展望所から周辺の状況を確認する。放射線防護対策施設の特別養護老人ホーム「玄海園」、唐津市の県オフサイトセンターも視察する。福岡県も訪れる。

 事故時、県オフサイトセンターで指揮を執ることになる伊藤忠彦副大臣も同行する。県は面談をインターネットで動画中継する。

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