二酸化炭素分離回収装置=佐賀市高木瀬町の市清掃工場

 佐賀市が清掃工場(高木瀬)で進めるバイオマス事業に関し、昨年8月下旬に稼働した二酸化炭素(CO2)分離回収装置の昨年度のCO2売却収入は24万円で、見込みの3%にとどまっていたことが29日、分かった。市は整備費14億5千万円を売却収入によって賄うとしてきたが、事業初年度から目標を大幅に下回った。精製・回収しながら企業に供給できなかったCO2を空気中に放出していることも判明、低炭素社会を目指したCO2排出抑制も十分に機能していなかった。

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 市議会の決算審査で報告した。市によると、清掃工場のごみを焼却時に発生するCO2を分離回収し、隣接する藻類培養企業1社に売却する事業で、全国初の試み。供給するCO2の品質や安全性を確認するため、成分分析が必要になるなどで、売却開始は装置稼働から約4カ月後の今年1月にずれ込んだ。

 売却による昨年度の収入は764万円を見込んでいたが、実際の売却量は3カ月で約7トン、売却収入は24万円だった。装置は10月以降、毎日約5トンのCO2を回収しており、供給しなかった分は空気中に放出しているという。実証事業のデータを取得するため、供給できなくても稼働を続ける必要があると説明している。

 市はこれまで、国補助金5億円を差し引いた整備費9億5千万円を17年間の売却収入で賄う考えを示していた。さらに清掃工場北側の用地約20ヘクタールを約18億円で取得・整備し、藻類関連企業に売却する。培養規模の拡大で売却収入は増加するとみており、将来的には1日10トンを回収、年間1億2千万円の売却益を見込んでいる。

 市バイオマス産業都市推進課は「3カ月だけの成果なので、これで将来的に事業に影響があるとは言えない」と計画見直しの必要性は否定した。4月以降の売却収入は「前年度よりは改善している」と述べるにとどめた。「他の企業から引き合いもある」と1日10トン以上の需要となる可能性も挙げた。

 バイオマス産業都市を掲げる市は、CO2の分離回収を主要事業と位置付けている。

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