久保良真さん

「仲間とともに-Beジンジャー」

■役割と責任、自覚持って

 私は8年前、保険代理店を営む父の会社に就職した。入社当初は後継者の自覚もなく、淡々と仕事をしているだけだった。

 そんな中、青年部に4年前に入部し、数年後には委員長に指名された。不安は大きかったが、自分の成長になればと引き受けた。青年部事業については、イベントで地元の特産品をなぜ活用しないのか、もったいないと感じていた。

 市長と青年部の懇親会で「市に眠る経営資源をよみがえらせよう」と意見があり、「何かやってみたい」と強い思いがこみ上げた。

 委員長として激動の1年が始まり、最初は企画書の作成に戸惑った。書類作成にはなれているつもりだったが、ゼロから商品開発する難しさを痛感した。

 悩んだ末、武雄市山内町のショウガを使い、ジンジャーエールを作ることにした。ただ、部員の中に飲食業は1人だけ。知識や経験のない集団には難しい課題だった。市販品と同じものを製造しても意味はない。会議は難航し、次第に参加する部員が減った。

 「青年部は仕事じゃないけんね」といわれ、はっとした。みな方向性の見えない会議に嫌気が差していたのだ。委員長として会議を仕切れていないことに気づいた。そこで、地元で活躍するフードコーディネーターやデザイナーに参加してもらった。専門的なアドバイスを受け、会議は盛り上がるようになった。

 ショウガをふんだんに使った辛口で濃厚な薬膳ジンジャーエールは、飲んで美人になってほしいとの思いを込め、「Be ginger」と名付けた。パッケージデザインは体に良さそうに見えるものを採用。瓶詰めでなく、目の前で炭酸で割る手作り感を出した。

 地元の道の駅で販売すると、予想に反し多くの人が購入してくれた。うれしくもあり少しほっとした。リーダーとしてみんなを引っ張っているつもりが、支えられていると気づいた。

 事業を通じ、役割を責任を持ってこなす重要さを学んだ。本業でも後継者の自覚が芽生え、仕事への姿勢も変わった。

 青年部の活動は始まったばかり。「あのジンジャーエールを飲みに武雄に行こう」と言われるように頑張りたい。

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