国土交通省は29日、2018年度予算の概算要求に、度重なる開発トラブルで九州新幹線長崎ルートへの導入計画が宙に浮いているフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の技術開発費に本年度予算と同額の10億円を盛り込んだ。事業継続を決めた城原川ダム(神埼市)は実施計画調査から建設段階へ移行し、5億3千万円を計上した。

 鉄道局は、FGT開発費を予算要求した理由について「開発を続けていくというメッセージだ」としている。7月の専門家による技術評価委員会で、車軸の摩耗は対策に効果が見られたが、一部にメッキの摩耗が見つかったため、メッキを厚くするなどの対策を立て、効果が確認されれば、実用化に向けた耐久走行試験に移行できることが了承された。ただ、対策には年単位の時間を要する。

 鉄道局は、長崎ルートの整備方針を決める与党検討委の結論が出ていないことに加え、「FGT開発自体は長崎ルートに限らない普遍的な政策だ。導入の可否の議論にとらわれず、技術評価委の了承に基づいて本年度から来年度にかけ、車軸の摩耗対策を検証する」と説明している。

 城原川ダムは本年度当初予算で3億5900万円を計上し、実施計画調査を進めている。「新規事業採択時評価」手続きで、学識経験者らによる委員会から「妥当」とする意見を得たことで建設段階に移る。18年度はダム本体の調査測量、付け替え道路の設計を予定している。ダム完成まで13年間、総事業費485億円を見込む。

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