北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け金融市場では29日、動揺が広がった。東京株式市場で平均株価が下落し、外国為替市場では円を買う動きが優勢となった。地政学リスクを警戒するムードは当面続くとの見方が市場の大勢。円高進行への警戒も強まっており、日本株の重荷になりそうだ。

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は最近、グアム沖へのミサイル発射計画を当面見送る考えを示唆していただけに「危機をいったん乗り切ったと思っていた株式市場は不意を突かれた」(大手証券)。

 野村証券の松浦寿雄日本株チーフ・ストラテジストは「いつミサイル発射があるか分からないため、投資家には慎重姿勢が広まりやすい。北朝鮮情勢に一喜一憂する展開が続くだろう」とみる。

 米国は10月に始まる2018会計年度の予算編成、連邦政府の債務上限引き上げなど重要な国内課題を多く抱える。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「米国側で北朝鮮問題への対応は時間的余裕ができてからと後回しになると地政学リスクは尾を引く」とし、北朝鮮問題の短期的な解決は困難との見方だ。

 円相場については、対ドルで円高方向に進むとの観測が市場では強まっている。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは「北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過したことで地政学リスクが改めて意識され、(比較的安全な通貨とされる)円を買う動きが強まりそうだ」と指摘。「米国の今後の金融政策にもよるが、年末にかけて1ドル=100円から105円程度まで円高が進む可能性がある」との見方を示した。【共同】

=北朝鮮ミサイル発射=

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