「友達のような感覚で過ごしてきたのが良かったのかな」と語る城野昭夫さん、ヒサ子さん夫妻=佐賀市久保田町の自宅

1966年の初夏に式を挙げた城野昭夫さん、ヒサ子さん夫妻

■孫の晴れ姿待ち遠しく

 「いやぁ、あどけなかねぇ」。久しぶりに取り出した50年前の結婚式の記念写真を見た佐賀市の城野昭夫さん(81)と妻のヒサ子さん(75)は照れくさそうにほほ笑んだ。

 出会いは、昭夫さんの父が持ちかけた冬に行ったお見合いだった。おとなしく、真面目な人柄をにじませる昭夫さんに「この人となら」とヒサ子さんは思った。農業を営む昭夫さんの父が繁忙期に入る前にと春にかけて準備を進め1966年5月30日に結婚した。

 翌年3月に長女、その翌年には長男を授かった。偶然にも誕生日は同じ3月6日。小さい頃には「一緒にお祝いをするもんだから、1つのケーキを分け合うのを嫌々言っていたね」と懐かしむ。

 ヒサ子さんが感じた印象通り、昭夫さんは勤務していた鉄工所でひたすら真面目に働いた。月の3分の2以上は九州一円に出張し、佐賀にいる日も午前2時まで働くことも少なくなく、帰宅しないので心配になったヒサ子さんが子どもを背負って夜遅くに昭夫さんの元へ駆けつけたことも。「あの頃は必死だったね」と昭夫さんは振り返る。

 「親しんでくれていたし、私も大好きだったから」。昭夫さんの母が半身不随と失語症で入所していた施設の院長からヘルパーとして働くことを勧められ、ヒサ子さんは母を看病しながら施設利用者に優しさを注いだ。施設ではヒサ子さんが8時半に出勤するまで朝食を待つ人もいるほど人気者になり、昭夫さんは「心強く、母も妻の優しさに救われた」と今でも感謝している。

 昭夫さんはグラウンドゴルフとボーリング、ヒサ子さんはボランティア、日本舞踊、社交ダンスと、忙しくしている趣味は意外にもばらばら。それでも2人は「友達のような感覚で過ごしてきたことが良かったのかな。空気のような、おらんぎいかん存在よ」と口をそろえる。

 4人の孫にも恵まれた。きょうだいのように仲良くする長男、長女の家族に感謝を覚えながら、孫の結婚の晴れ姿を見るのが待ち遠しい。「それまで元気でいないとね」。2人は目を合わせてうなずいた。

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