関西空港の国際線出発ロビー

 西日本の空の玄関口、関西空港で、はしかに感染する従業員が急増している。8月から少なくとも20~30代の男女計32人の発症が確認された。9月4日には診察した医師ら従業員以外の3人の感染も判明、空港を運営する関西エアポートはさらなる広がりを警戒している。

 空港内のビルの一室に2日午後、空港内の事業者が集まり緊急の対策会議が開かれた。多屋馨子・国立感染症研究所室長が、国内では土着のウイルスは「排除状態」にあり、旅行者から感染したとみられると説明。「朝と晩2回体温を測り、発熱や発疹があれば出勤しないように」と呼び掛けると、メモを取る参加者の姿も見られた。

 最初に感染が判明したのは8月17日。国際線で受け付け業務をする20代女性が同9日に発熱していた。はしかの潜伏期間は10日間ほどで、7月末に感染したとみられる。8月26日には別の女性の発症も分かり、国際線出発ロビーの従業員を中心に急速に広がった。

 はしかは感染力が強く、同じ室内に感染者がいれば、免疫を持たない人にはほぼ確実にうつる。発疹や高熱の症状が現れ、死に至ることもある。手洗いやマスクでの予防も難しく、ワクチンの接種が有効とされる。

 これまでの発症者は、免疫を持たない割合が比較的高い20~30代に集中している。関西エアポートは空港内にある全事業所の従業員約1万5千人のうち、特に若い世代を対象にワクチン接種の有無の確認を急いでいる。

 感染研によると、7月末に関空を利用した兵庫県の10代男性も、はしかと診断された。夏の関空は多くの人が訪れ、お盆前後の8月10~21日に限れば、出入国者だけで1日平均6万人に上る。大阪府医療対策課の木下優参事は「ひとまず終息傾向にあるが、8月下旬に感染した人が潜伏期間を経て発症すれば、再び波が来る可能性はある」と指摘している。【共同】

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